ショート動画の作り方:長い動画から切り抜きを作る手順
最初に文字起こしを作り、残す場面を選び、文の切れ目でカットして縦型に変換します。その後の工程では、同じ文字起こしを使い続けます。
使い方 著者 Pipe2.ai 更新日 July 22, 2026
この記事の内容
これらのパイプラインを試す
長い動画からショート動画を作るなら、最初に全体を文字起こしし、その結果を以降の工程で使い続けます。内容を読めば残すべき場面を選べ、文の開始・終了時刻を使えば単語の途中を避けてカットできます。同じファイルを縦型変換や字幕にも渡せるため、二度手間になりません。タイムラインを最初から最後まで動かして使える場面を探すより、はるかに効率的です。
記載範囲 — 2026年7月: 以下の手順は、現在Pipe2.aiで利用できるTranscription、Highlights、Video Trim、Video Reframe、Captionsに対応しています。記載した内容は、各パイプラインで現在利用できる入力と動作に照らして確認しました。
文字起こしがすべての鍵
文字起こし以降の工程では、同じ文字起こしを入力として使えます。だからこそ、一連の作業を自動化できます。
- 場面選びには、波形ではなく「何を話したか」という情報が必要です。
- トリムには文の境界が必要です。ないとクリップが単語の途中で始まります。
- 縦型変換は、発話がタイムライン上のどこにあるかを知っていると精度が上がります。
- 字幕には言葉とタイミングが要りますが、それはもう手元にあります。
録画全体を一度だけ文字起こしし、そのファイルを保管して以降の工程に渡してください。60分のポッドキャストでも文字起こしは1回で済み、そこから作るすべてのクリップに使えます。クリップごとにやり直すと、最も費用のかかる工程を無駄に繰り返すことになります。
手順1 — 録画全体を文字起こしする
必要そうな部分だけでなく、ファイル全体を処理します。読んでいない録画から良い場面は選べません。
意識して設定したい項目が2つあります。
- 話者分離(
diarize)— インタビューや対談では必須です。誰が話したか分かることで、「良い発言」が「ゲストの良い発言」に変わります。切り抜く価値があるのはたいてい後者です。 - 修正語(corrections)— モデルが聞き違えやすい語をあらかじめ指定します。製品名、人名、専門用語が代表例です。文字起こしの段階で一度直すほうが、あとで字幕ファイルごとに修正するより安く済みます。
手順2 — 場面は「探す」のではなく「選ぶ」
文字起こしを読んで、それ単体で成立する場面を探します。根拠を伴う主張、オチのある話、簡潔に答えられた質問などです。判断基準は、元動画を見ていない人に意味が通じるかどうかです。
Highlightsは文字起こしを読み、指定した数の候補を返します。ウェビナーから10本、短いインタビューから3本というように、実際に公開するつもりの本数を指定できるので、際限のないリストをふるいにかける必要がありません。styleを指定すれば、どのような場面を探すかも調整できます。営業ウェビナーとお笑い系ポッドキャストでは「良い場面」の形が違うので、これは効いてきます。
出力は最終判断ではなく、候補リストとして扱ってください。モデルは文章としてまとまりのよい場面を見つけますが、チャンネルに合うかどうかは人が判断します。
手順3 — 文の切れ目でカットする
自動切り抜きの粗が最も出る工程です。生のタイムスタンプで切ったクリップは単語の途中から始まり、話が完結する前に終わります。編集ではなく機械的な切り出しに見え、その後どれだけ磨いても取り返せません。
Video Trimは開始時刻・終了時刻と文字起こしを受け取り、各カット位置を最も近い文の境界に揃えます。おおよその位置を渡せば、きれいな切れ目はツールが見つけます。実務上の効果は大きく、読みながら素早くおおまかに場面を選んでも、始まりと終わりが整ったクリップになります。
手順4 — 縦型にリフレームする
16:9の録画を真ん中で切ると、話者が少し傾くたびに顔が画面外に出ます。Video Reframeはキーフレームを解析して各フレーム内の顔の位置を特定し、ショットを通して被写体を追うクロップを選びます。
正確には、この機能は顔を見つけて追い、どこを画面に残すかを判断します。誰が今話しているかを判定する機能ではありません。スライド、画面録画、画面全体を使ったBロールのように明確な被写体がないショットでは、無理に切り取らずレターボックス表示にします。
出力先に合わせて、目標のアスペクト比は明示的に指定してください。
手順5 — 字幕を焼き込む
SNS動画の多くは音声なしで視聴されます。字幕のないクリップは、内容が分かる前にスクロールで飛ばされます。
文字起こしがすでにあるので、この時点でCaptionsにかかる追加コストはごくわずかです。トリム済みのクリップと文字起こしを渡し、プリセットを選べば、テキストが焼き込まれたMP4が出てきます。別ファイルの字幕をプラットフォーム側がどう表示するかに左右されることもありません。表示方法はプラットフォームごとに異なり、別ファイルの字幕が無視される場合もあるからです。
良い切り抜きと機械的な切り出しの差
- 1クリップ1テーマ。 説明に2文の前置きが要るなら、その前置きをクリップに入れるか、場面選びが間違っています。
- いちばん強い一言から始める。 その前の言い淀みからではありません。どこかは文字起こしを見れば明らかです。
- 話者の顔を画面内に保つ。 被写体が端に流れるトーククリップは雑に見えます。
- 本数のノルマで切らない。 ウェビナーから凡庸な10本を出すより良い3本のほうが成果が出て、公開コストは同じです。
- 話の完結単位で切り、尺はその結果に任せます。
他の工程とのつながり
この流れができると、同じ文字起こしを別の用途にも使えます。フル尺動画のチャプター、文章の要約、元動画の字幕などです。文字起こしの費用は一度だけで、その後のさまざまな制作物に活用できます。
切り抜くだけでなく元動画も自分で作る場合は、AI動画の作り方で生成工程を、動画に字幕を入れる方法で字幕の見せ方を解説しています。
試してみる
手元にある録画を1本選んで始めてください。文字起こしを作り、Highlightsに3本だけ候補を出させ、その3本をトリムします。初回の目的は、選ばれた場面が自分で選ぶものと一致するかを確かめることです。納得できる候補が出るようになれば、同じ流れを1時間の素材にも適用でき、変えるのは本数だけです。
よくある質問
長い動画からショート動画を作るには?
まず全体を文字起こしし、その結果を以降の工程で使い続けます。何が話されたか、各文がどこで始まり終わるか、どこで切れば単語が途中で切れないかという情報が、すべて同じファイルに入っているからです。
切り抜きの長さはどれくらいが適切ですか?
ひとつの話題が完結する長さで、それ以上は不要です。実際には20〜60秒に収まることが多いです。重要なのはプラットフォームの上限ではなく、元動画を見ていない人に意味が通じるかどうかです。だからこそ尺を決め打ちせず、話の切れ目で切ります。
切り抜きが単語の途中で始まったり終わったりするのはなぜ?
音声の内容ではなくタイムスタンプだけで切っているからです。文字起こしを参照してトリムすれば、カット位置が文の境界に揃い、クリップは文の先頭で始まり文の末尾で終わります。きちんと編集された動画と、機械的に切り出しただけの動画を分ける、最も分かりやすい違いです。
クリップごとに文字起こしをやり直す必要はありますか?
いいえ。録画全体を一度だけ文字起こしし、その結果を場面選び、トリム、縦型変換、字幕のすべてで使い回します。60分の録画でも、1回の文字起こしで一連のクリップすべてに対応できます。
横長の動画を人物が見切れないように縦型にするには?
自動リフレームがキーフレームを解析して各フレーム内の顔の位置を特定し、ショットが変わっても被写体が画面内に収まるクロップを選びます。中央固定で切り抜くわけではありません。スライドや画面録画、全画面のBロールなど明確な被写体がない場合はレターボックス処理になります。画面全体を使う映像にはそちらが正解です。
ショート動画に字幕は必要ですか?
必要です。SNS動画の多くは音声なしで視聴されるため、字幕のないクリップはほとんどスクロールで飛ばされます。最初の工程で文字起こしがすでにあるので、字幕の作成に追加コストはかかりません。プラットフォーム側の字幕表示に頼らず、書き出すファイルに焼き込みます。